近年、抵抗部品やチップ抵抗器(SMD)においてAg電極の硫化対策や耐マイグレーションの向上など要求が高まっています。これらの対策の一つとしては銅系導体の使用があります。 銅系導体の焼成は窒素雰囲気で行う必要がありますが、現在、主に使われている酸化ルテニウム系またはAg/Pd抵抗ペーストは、窒素雰囲気で焼成する場合、抵抗成分やガラス成分が還元するなどして変質し、抵抗値が不安定になってしまいます。 当社が開発・生産しているCu/Ni系などの卑金属系厚膜抵抗ペーストは、窒素雰囲気下で焼成できるため、抵抗値が不安定になることはありません。 特に超低抵抗領域に対応するペーストの作製にも対応しています。また、弊社では基板へのペースト印刷も行っております(ペースト印刷加工に関するページはこちらです。)。
・窒素雰囲気で焼成でき、銅の電極や配線を有する基板と併用できます。
・低抵抗のCu/Ni系ペーストは電流検出用、電源管理用抵抗チップに最適です。
またTCRが低く、±100ppmのチップ抵抗器品質要求にも対応可能です。
・卑金属系のためAg/Pd合金系や酸化ルテニウム系抵抗材料よりも安価です。
・鉛などの環境負荷物質は一切含有しません。
CuNi(銅ーニッケル)系 抵抗ペースト 品番表はこちら
・スクリーン印刷
・N2, 900℃焼成
〇超低抵抗グレードDHシリーズ
・面抵抗:10~30mΩ/□
・TCR:-100~+500ppm/K
〇低ー中抵抗グレードDシリーズ
・面抵抗:100~3,000mΩ/□
・TCR:-100~+100ppm/K
※上記抵抗ペーストとマッチングする電極用銅ペースト、オーバーコートガラスペーストはこちら
LaB6(ホウ化ランタン)系 抵抗ペースト 品番表はこちら
・スクリーン印刷
〇Aシリーズ
・対応電極:Cu
・対応基板:Al2O3
・焼成条件:N2/850℃
〇Nシリーズ
・対応電極:Ag
・対応基板:AlN
・焼成条件:Air/820℃
※上記抵抗ペーストとマッチングする電極用銅ペースト、オーバーコートガラスペーストはこちら
製品シリーズ | 品番 | 保護膜の有無 | 評価項目 | シート抵抗 mΩ/ □at20μm | 特長 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
「抵抗温度系数(TCR)」(ppm/℃) | 155℃耐熱試験1000時間後抵抗値変化率 | 85℃C85RH%高温高湿試験1000時間後抵抗値変化率 | 40℃~155℃熱サイクル試験1000回後抵抗値変化率 | |||||
DHシリーズ | CNR01DH | 無 | 500 | 0.85% | 0.22% | -0.08% | 10 | 超低抵抗グレード 高い信頼性を示す。 |
CNR03DH | 無 | -100 | 0.76% | 0.06% | 0.04% | 30 | ||
Dシリーズ | CNR10D | 無 | -80 | 0.79% | 1.16% | 0.49% | 100 | 低一中抵抗グレード 良好な信頼性が得られる。ハイパワーなど高 温用途にはガラス保護膜の使用をお勧め。 |
有り | 0.02% | |||||||
CNR50D | 無 | -60 | 0.93% | 1.55% | 0.64% | 500 | ||
有り | 0.05% | |||||||
CN1R5D | 無 | -40 | 0.63% | 1.1% | 0.75% | 1500 | ||
有り | 0.01% | |||||||
CN3R0D | 無 | -10 | 0.96% | 0.72% | 0.75% | 3000 | ||
有り | 0.04% |
・電流検出用チップ抵抗器
・電源管理用チップ抵抗器
・セラミックヒーター
・抵抗体(厚膜抵抗ペースト)付セラミック回路基板
・取り扱い上の注意は、各製品の製品安全データシート(SDS)に従うものとします。
・焼成には窒素置換炉が必要です。
・開発、生産における焼成の受託も行っておりますのでご相談ください。
・本結果は電極に弊社製銅ペースト、保護膜に弊社製ガラスペーストを用いた場合のものです。
・抵抗体、銅ペースト、ガラスペーストにはマッチングがありますので、弊社品の使用を推奨致します。
・『CUX』 は三ツ星ベルトの銅関連製品の商標です。